アナログ業務無線機の使用期限が迫る中、昨年(2020年)は無線のデジタル化が一層加速した年になりました。ここでは2021年の、放送電波以外の受信の方向性を簡単に確認します。
2020年はどんな年だったのか
2020年はよしおの生息地付近の防災無線があっという間にデジタル化してしまい、反響して聞きづらい広報スピーカーから流れる避難情報を市販の受信機では聞けなくなりました。
また、普段の生活で参考にしてきた各種無線のデジタル化もこれまで以上に加速しました。
特にここ数年間によしおの生息地周辺に登場したと思しき新種のデジタル無線は市販のデジタル対応受信機で復調できないものばかりです。
2022年以降も聞けるアナログ無線は?
総務省の周波数再編アクションプランに伴い2022年以降、アナログの受信機で受信できるジャンルはおおよそ、ごくわずかの署活系と有事に使用されるごく一部の防災無線、航空無線、一部の船舶無線、アナログ方式のアマチュア無線、一部の特定小電力無線と短波帯以下のアナログ無線に限定されるはずです。
それだけアナログ専用受信機には一層厳しい状況となる現実が目の前に迫っています。
IC-R6, DJ-X8, VR-160等では全デジタル無線を復調できない |
聞けるデジタル無線の種類は
一方でそこそこ聞けるかもしれない(聞けない場合もある)デジタル無線を列挙するならば、一部の業務無線と351MHz帯の簡易業務登録局、467MHz帯の簡易業務免許局、D-STARとC4FM等のアマチュア無線です。詳細は周波数手帳ワイド2020-2021にありますのでそちらを参照ください。
重要無線といわれる警察や消防のデジタル波は市販のデジタル受信機ではまず復調不可能です。加えて屋外スピーカーから流れる同報無線も復調できません。
携帯電話基地局が機能不全に陥ったいくつもの大規模災害の前例を教訓に、せめて同報無線の屋外放送くらいは市販のラジオや受信機で聞けるようにして欲しいものですが...。
少々話が逸れました。種類だけで見るとデジタル化後に聞ける無線は少ないように見えますが、351MHz帯と467MHz帯のデジタル簡易業務全チャンネルが逼迫している現実から察するに、このデジタル簡易業務無線がデジタル無線局数全体に占める割合を上げているはずです。
冷静に見れば
ともあれ、結局のところ受信できる無線の種類はデジタル化の推進で少なくなり、アナログ時代には当たり前のように聞けていた業務無線が聞けなくなることに変わりはないので、物足りなく感じる心配は大いにあります。
となると残された受信を楽しむ手段は、聞ける無線だけを集中して追い続けるか、通信内容のわからない電波をひたすら受信し続ける案(下記関連記事参照)等が有力になると思います。
敢えて説明するまでもない事ですが、日本の無線の受信環境はデジタル対応スキャナーが比較的手ごろな価格で買える北米よりもオープンではないということです。
RF ExplorerとAR-DV10を組み合わせデジタル無線の雑音を楽しむ例 |
アナログの終焉とデジタルの本格始動に向けて
今更感はありますが今できることは、聞ける無線は今のうちに聞きまくる、これに尽きるでしょう。具体的には聞ける無線の周波数のスキャンや受信機を増やしたりアンテナを増強するくらいでしょうか。
これから先、聞ける無線以外に手を広げるのならば通話内容のわからない無線電波をひたすら見つけて楽しむバイタリティがなければ受信という趣味をやってられないような気もします(笑)
(関連記事はこの下です)
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