2017/07/15

八重洲無線 VR-160ミニレビュー

VR-160八重洲無線(旧バーテックススタンダード)からリリースされている小型の広帯域受信機です。
八重洲無線 VR-160

VR-160の詳細はこちら、使い方ははじめての受信機操作ガイドに、フルレビューは受信機フル活用テクニックver.14に掲載されています。ここではこれまで使ってきたアイコムのIC-R6アルインコのDJ-X81との違いを交えVR-160を使用レポートしてみます。



■いいところ

最も良い点はやはり手にすっぽり隠れるほど小型で軽量なことでしょう。

IC-R6やDJ-X81も携帯してみたのですが単3電池の重さと本体の厚みでかさばってしまい、気が付いたときには既に持ち歩かなくなっていました。広帯域受信機の中では最薄軽量なアルインコのDJ-X7はよしおの受信スタイルに合わなかったので候補から外しました。
VR-160 + 第一電波RH17アンテナ + BNCJ-SMAP


次に良いところは操作性の良さです。

元々アマチュアハンディ機VX-2やVX-3VX-8Dを使っていたこともあり、VR-160も直感的に使えたので操作は割合すんなり受け入れられました。

IC-R6はボタンが少なく長押しがありすぎて操作に手間が掛かっていました。DJ-X81のテンキーはメモリースキャンを多用する普段のよしおの使い方ではなくても大丈夫と思います。


3つ目の良いところは使い勝手の良さです。

VR-160には無線の受信待機中にAMとFMステレオラジオを聴取できるAFデュアルがあり重宝しています。ラジオだけでなく音楽プレーヤーなどもAFデュアルできます。

このほか内蔵スピーカーとステレオイヤホンの音量独立調整、ステレオイヤホンジャック、バンドスコープと簡易チャンネルカウンターなどの心強い機能がふんだんにあります。
VR-160バンドスコープ動作中


4つ目はアナログ業務無線の受信性能の良さです。

IC-R6ではスキャンの止まらない電波がVR-160では受信できる場合があります。その理由は上記の受信機フル活用テクニックver.14に掲載されています。
また受信機フル活用テクニックver.14のとおり、鉄道系に使える空線信号キャンセラーが他メーカーの製品と比べ秀逸です。


5つ目は全体的に不正受信が少ないことです。長波は厳しいものの、それでもアイコムのIC-R6に続き内部発振が少ないと思います。



■気になるところ

もっとも気になる点はあらゆるスキャンスピードが遅いことです。軍用エアバンドなどの積極的なサーチ用途には向きません。よしおはスキャンに頼らない受信スタイルを採り弱点をカバーしています。

2つ目は6.25kHzステップがないことです。このため450MHz帯の小エリアなどの受信は5kHzのメモリースキャンでカバーしています。

3つ目はAFデュアルの使える内蔵ラジオ機能の受信感度が小型ラジオと比べて良くないことです。特に、175〜220MHz周辺で待ち受けしながらAFデュアルでAMラジオを受信しようとするとノイズまみれになります。
こういう訳で移動時は単4電池1本駆動の薄く小型軽量な名刺サイズラジオと併用しています。
VR-160(左)と名刺サイズラジオ(右)

VR-160(左)側面と名刺サイズラジオ(右)側面


そして4つ目はヘッドホン使用時の音量の小ささです。よしおは業務無線を受信中ステレオイヤホンを使用しほぼ最大音量でVR-160を使っていますが、それでも音量不足を感じることがあります。他方、航空無線の受信ではこの症状を感じませんでした。
よしおの聴力検査結果は病院で正常と言われたのでこの判断は間違っていないはずです。



あえて改善点を挙げるならば上記に加えUSB充電に正式対応してほしいこと、ボタンを押す硬さを少し柔らかくしてほしいこと、AFデュアルのラジオ受信と無線受信の音量の差を埋めてほしいこと、200〜300MHz帯の感度向上、WFMフィルターのキレ向上、内蔵バーアンテナの長波受信対応くらいでしょうか。
バンクの使い勝手も及第点ですが頑張って何とかやりくりしています。
AFデュアル中のVR-160を斜めから見たようす


しかしマイナーアップデートをしても首都圏では署活系を除く消防、道路、ライフライン無線がデジタル化を完了し、鉄道や簡易無線などもデジタル化しつつある現在、残りのアナログ波が楽しめるのは時間の問題なのでアナログ専用の広帯域受信機は航空無線など特定用途向けへの特化がさらに加速するでしょう。



そういうわけで、よしおが日々携帯する広帯域受信機は軽量コンパクトでメリハリあるデザインを持ち操作性がよく機能豊富、ワッチ対象の周波数の受信性能が比較的良好な八重洲無線のVR-160となっています。

移動受信で単3電池2本駆動の厚みと重さのある広帯域受信機を持つ余裕があれば単3電池3本で動作するユニデンアメリカの大型スキャナーBCD436HPを使い、それができない場合はこのVR-160を携帯するのが2017年現在のよしおの受信スタイルです。
ユニデンアメリカBCD436HP(左)とVR-160(右)


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