2011/06/08

MOTOTRBOとは ~ 無線用語

不可抗力で買ったばかりの無線機のロッドアンテナを誤って折ってしまいショックで沈んでいるよしおのつぶやきが今日も始まります。今回はMOTOTRBOを取り上げましょう。

モトローラが提唱するデジタル方式無線通信プラットフォームをMOTOTRBOと言います。MOTOTRBOの内容を簡単に説明しますとコーデックは国内でもおなじみの登録局や簡易業務用に使われ始めているAMBE+2(文末参照)、簡易的なテキストメッセージ機能をサポートしオプションでパソコン同士のデータ通信やGPSによる端末間の位置情報交換も可能です。またMOTOTRBOの携帯端末にはIP57と米軍規格810のC、D、E、Fに準拠し電池の持ちを向上するINPRES技術を実装しています。

MOTOTRBOの最大の特徴は12.5kHzのチャンネルスペースに最大2つのスロットを持つTDMA(時分割多重)方式を採用していることです。
同社のパンフレットを斜め読みしますとTDMAを採用することで主に
(1) 従来のアナログ方式よりも電池の持ちが最大40%向上
(2) 1波で2回線確保できるため電波に掛かる費用(税金)が6.25kHzのFDMAよりも安価
であることが大きくアピールされています。デジタル化による通話の高信頼性という内容もありましたが内容が具体的ではなく、実際に無線システムを導入する立場として確実性を重視するのか音声の圧縮・伸張に掛かる遅延を問題とするかなど好みが分かれますのでこの話題については触れないことにします。

まず
 (1) 従来のアナログ方式よりも電池の持ちが最大40%向上
を検証します。ここでは検証にMOTOTRBOに対応したXiR P8260はアナログとデジタルの両方に対応したハンディ機のスペックを見ましょう。
・XiR P8260スペック表:MOTOTRBO™ Portables(英文pdf)

P8260スペック表の電池の持ち時間を見ますと1500mAhのバッテリー使用時、アナログでは9時間に対してデジタルでは13時間、つまりデジタル方式で通信するとアナログよりも1.44倍ほど電池の持ちがよくなると記載されています。アナログ無線回路が“手抜き”の可能性も否定はできませんが宣伝どおりの電池持続性能となっているようです。

次に
 (2) 1波で2回線確保できるため電波に掛かる費用(税金)が6.25kHzのFDMAよりも安価
を考察します。国内ではアマチュア無線やライセンスフリー無線、MCAなどを除き、無線局免許を受ける場合1つの周波数に対して原則1つの免許状が交付されます。そう考えると確かにTDMAのほうが税金というランニングコストがFDMAよりも少なく済むと考えられそうです。


ここからは余談となりますがもしかすると現在の無線通信の多くでスペクトラム拡散通信を行っている理由としては電波の有効活用もさることながら実は電波に掛かる税金が安くなることもあるかもしれません。もっとも携帯電話の電波利用税は包括免許のためこの限りではないかもしれませんが・・・。

このように考えると、もし海外でも日本と同じような電波利用税のスタイルである場合、これまで何度か取り上げました25kHzの占有帯域で4つのスロットを使えるTETRA(文末参照)は長期的に見ると非常ににリーズナブルな方式と言え、他の方式以上に普及する理由が納得できます。

デジタル化はわたしたち受信家にとっては死活問題でありますが解釈によっては従来の倍以上周波数帯域を有効活用できる訳ですから利用者の視点で見るとランニングコストを抑えるチャンスと言えましょう。とするとデジタル化による「電波の有効活用」という政府のスローガンは私たちにとって二次的と言えなくもありません。



[参考資料]
MOTOTRBO™ SYSTEM(英文pdf)

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