2019/10/13

2019年の台風で避難所へ持参したラジオと受信機の話

2019年10月12日から13日にかけて大型台風19号が関東等へ上陸し、首都圏を含む大規模地域に大きな爪痕を残しました。今回は避難所へイヤホンと一緒に持ち込んだラジオと広帯域受信機の使用感をお話します。



よしおが今回避難所へ持ち込んだラジオと広帯域受信機はパナソニックRF-3500と八重洲無線(旧バーテックススタンダード)VR-160です。
パナソニックRF-3500(左)と八重洲無線VR-160(右)


まずホームラジオRF-3500について。RF-3500の詳細はラジオマニア2018をご覧下さい。

よしおは普段このRF-3500でAMラジオ放送をお手軽遠距離受信で聞いています。

理由はRF-3500がフルアナログだからという事も1つありますが、この機種の醍醐味は何と言っても聞きたい音だけが聞けることにあります。

生産終了したソニーの名機ICF-EX5MK2は確かに感度だけ見れば高感度ですが、遠距離受信に使うとスピーカーから出てくる雑音が多すぎて、感度を絞っても目的の音が聞こえづらいのです。
RF-3500(上)とICF-EX5MK2(下)

対するRF-3500はICF-EX5MK2程ガンガン受信できる訳ではないものの、AMラジオとしては高感度ながら、混信時のビート音をあまり出さず、ビートが発生しても音質切替スイッチを使い、比較的快適に遠距離受信が楽しめます。

ラジオが受信できていることを示す同調ランプは、点灯大盤振舞いのICF-EX5MK2に対して、RF-3500はちゃんと聞こえたときだけ点灯するという潔さがあり、よしおの受信の感覚と合っています。

また、ICF-EX5MK2は電源を入れるときに毎回大きなボツッ音がしますが、RF-3500にはそれがまったくありません。



...とまあ、ラジオのうんちくが長くなりましたが、そんなRF-3500を大事にリュックへ仕舞い、避難所へ向かいました。

避難所内でRF-3500を使うとラジオ放送がしっかり入り、RF-3500の高感度性能があらためて実感できました。

室内でラジオのスピーカーを使うと他の避難者に大迷惑なので、避難所内ではイヤホンをして高感度性能と電池の持ちの良さを楽しみ、風が少なくなってから人の少ない外でスピーカーの音を密かに楽しみました。

ホームラジオの1つであるRF-3500はスマートフォンや小型ラジオにはない、低音から中音まで無理のない音が出ます。おかげで避難中も少しだけ気分的な余裕ができました。


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次にVR-160について。VR-160の詳細は本記事下の関連記事が参考になると思います。
八重洲無線VR-160

VR-160を使う理由はよしおの生息地周辺の情報収集です。避難は始めるタイミングが肝心なので、情報の鮮度が物を言います。

テレビとラジオだけでは避難情報の範囲が広すぎて、住んでいる地域情報のピンポイントさに限界があります。

3.11の経験で、携帯電話やスマートフォンは基地局の電気が切れたり壊れたりすると使い物にならないことを身にしみて知っています。

災害対策の参考にする(あくまでも参考です)官庁系の無線にはインターネット上のSNSにありがちな、悪意あるデマはまずありません。

また、防災無線の屋外スピーカーで聞き取り辛い声も、デジタル化されていなければ市販の広帯域受信機で聞ける可能性があります。


避難中に歩きながらスマホを操作すると、スマホに気を取られて用水路や川へ転落したり、石などの障害物につまずき怪我をする恐れがあります。

その点、ラジオもそうですが広帯域受信機はイヤホンをすれば目の前が自由になり、避難中に余裕が生まれます。


よしおは秋葉原の富士無線で買った、アイコムIC-R30の付属アンテナとほぼ同型の2段屈曲機構のロッドアンテナをVR-160へ装着し、無線を受信しながら避難所へ向かいました。
2段屈曲アンテナを装着したVR-160(左)とIC-R30(右)


避難中から避難後まで、VR-160はとにかく大活躍でした。VR-160独特の、ラジオを聞きながら無線受信を同時待受できるAFデュアル機能が期待通りの効果を発揮しました。

2段屈曲アンテナを取付けたことで避難中VR-160は荷物にならず、避難所の屋内ではロッドアンテナを伸ばし、FMラジオと60MHz帯の防災無線を受信できたのが良かったです。


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結果として、ホームラジオRF-3500と広帯域受信機VR-160の両方を避難所へ持参したよしおの判断は悪くなかったと思います。

VR-160が苦手とする、屋内でのAMラジオの感度不足とスピーカーの音質をRF-3500で補う作戦がこれほど上手く行くとは思いもしませんでした。
VR-160(手前)とRF-3500(後ろ)


今回の避難でラジオを充分落ち着いて聞く余裕はありませんでしたが、ラジオに限らず普段使いしている物を避難所へ持っていくと、避難所にすぐ馴染めなくても安心感は何となく生まれると思います。

また事前に災害を想定し、VR-160のメモリーを吟味し避難時の使い方を練習していたので防災無線がスムーズに聞けました。
ただ、デジタル化により聞けるものが徐々に限定されつつあり、肩身の狭い思いをしたのも事実です。

携帯電話回線の高速化はさておき、殊に業務無線のデジタル化は誰が得するのか疑問がいくつか残ります。少なくとも防災無線は誰でも聞ける参考情報の1つとして、2022年以降もアナログで残してほしいものですね。

(関連記事はこの下です)


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