・CFD-S401 - ラジオ/CDラジオ・ラジカセ - ソニー
CFD-S401アイボリー(公式サイトから) |
CFD-S401はCDの再生、カセットテープの録音と再生、FMとAMラジオの聴取とカセットへの録音、オプションのカラオケマイクロホンを接続したマイクミキシングが楽しめるCDラジカセです。
電源はコンセントのほか単2乾電池6本でも動作します。仕様に記載はありませんが時計などのバックアップ電源として別途単4電池3本が必要です。
大きさは幅32×高さ13.4×奥行き19.9センチ、重さは乾電池込みで約2.8キログラムです。
【2017/06/04補足】
USBメモリーやSDカードの録音再生とBluetooth再生が必要で、カセットの録音再生が不要な場合は先に発売されたZS-RS81BTがあります。
CFD-S401の特徴やスペックを詳しく見ていきましょう。
CFD-S401は生産完了したCDラジカセCFD-E501の後継機です。
見た目は色が単色となったことで前モデルCFD-E501と比べ海外で好まれそうな無機質さがあります。前機種CFD-E501のカラーバリエーションはシルバー、ブルー、ピンクでしたがCFD-S401はブラック、ホワイト、アイボリーとなっています。
CFD-S401ブラック(公式サイトから) |
CFD-S401ホワイト(公式サイトから) |
液晶表示部分はCFD-E501の流用ではなく、時計の午前/午後などが日本語に対応した新規設計となりました。
液晶のバックライトは本体上の「明るさ/スヌーズ」ボタンの短押しで電源入時は切/暗い/普通/明るいの4段階、電源切時は切/暗い/普通の3段階から選べます。液晶表示は引き続き大きく見やすいです。
CFD-S401(公式サイトから) |
操作部は前機種CFD-E501からあまり変化はありません。再生、停止、早送り、早戻し、頭出しボタン等がCDとカセットで共通のため、他メーカーの同一カテゴリーの製品と比べ戸惑いは少ないと思います。
カセットの操作はガチャッと押し込むタイプではなく、軽い力でボタンを押すだけで操作が可能なフルロジックタイプです。フルオートシャットオフのため早送り/巻き戻し時のテープエンドを待って停止ボタンを押す必要もありません。
補足ですが、ラジオも初期設定以降はダイヤルをぐるぐる回し放送電波を探す必要はありません(注:CFD-S401にチューニングダイヤルはついていません)。
CFD-S401 操作部(公式サイトから) |
音質面に関してはスピーカーのバスレフ構造とイコライザの最適化などがされているようです(後述プチレビュー参照)。音質調整機能はありません。
そのほかの仕様のチェック用に、ここにCFD-E501とCFD-S401の比較表を置いておきます(クリックで拡大)。
CFD-S401のCDの再生はMP3ファイルに対応した一方で、シャッフル再生のリピート演奏が削られたようです。
【2017/06/04更新】削除されたCD再生機能を訂正しました。
ラジオはAMラジオがFMでも聴けるFM補完放送に対応しました。プリセット数も10増加しています。ワンセグTV音声は受信できません。
カセットテープの録再は仕様上変化がないようです。カセットのラジオ番組録音は1件の予約が可能となっている点も変更ありません。CFD-S401のカセットデッキ部の周波数特性は恐らくCFD-E501の80~12000ヘルツと
【2017/06/04追記】
発売前の取扱説明書(Web上では非公開)によるとCFD-S401のカセット部の周波数特性は80~10000Hzと、CFD-E501よりも少し狭くなっています。
タイマー部はスリープ機能の時間の区切りが前モデルと異なります。上の比較表に記載はありませんがCFD-S401には15/30/60/90の4段階スリープタイマーが装備されています。
それ以外CFD-S401はCFD-E501と同じ仕様です。
こちらは電源、入出力端子、消費電力や付属品についてまとめたCFD-E501とCFD-S401の比較表です(クリックで拡大)。
CFD-E501は乾電池による動作ができませんでしたがCFD-S401は単2アルカリ乾電池6本でCDを約半日鳴らすことができます。
ステレオの外部音声入力端子とミキシングマイク入力端子が追加されました。これによりお手持ちの小型音楽プレーヤーとオプションのステレオ接続コードをつなぎCFD-S401から音楽などが楽しめます。
ミキシングマイク入力端子にお手持ちのカラオケ用マイクロホンを接続し、話した声や曲に合わせて歌う声をカセットテープへ録音することも可能となりました。
マイクロホンの音量調整も前面のツマミで変更可能です。なお音楽中のボーカルを減らす機能やエコー機能はありません。
カセットデッキ部のメンテナンス用付属品が追加されています。リモコンは引き続きありません。
★実機プチレビュー★
発売前のCFD-S401のデモ機をソニーストアで触ってきました。実際に発売される製品と若干異なるかもしれません。実機体験中の写真はありませんのでご了承ください。
外見と操作性
本体は写真どおりの色です。ブラックは照り返しの少ないマットブラック、ホワイトはコピー用紙をさらに漂白したような白さがあります。アイボリーの質感も光沢のないマットなものです。
目を凝らすと写真通りの安っぽさはあるものの、値段を考えればかなり頑張っていると思います。安価な製品にありがちなプラスチックの極端な成形不良などは確認できませんでした。
液晶表示は白色バックライトも手伝ってか、本当にくっきり見やすいです。横幅が5センチ以上はあると思います。
電源入と切でそれぞれバックライトの明るさは変えられますから電源を切った後も液晶のバックライトが煌々と明るく光り続ける、なんてことは回避できそうです。電源切でバックライト調光ボタンの反応がなんとなく良くない気がしました。
【2017/06/04追記】
再度ソニーストアにて電源切時のバックライト調節を試したところライトボタンの反応は電源入時と違いはありませんでした。
操作しようとするとボタンの数が多く、どこに押したいボタンがあるのか目で探す必要がありました。これは使っていくうちに慣れてカバーできると思います。
CFD-S401のカラーバリエーション(公式サイトから) |
スピーカーの音量と音質
スピーカー出力は小さいので騒がしい場所での使用はお勧めしませんが部屋の一室で聴くには十分の音量でした。
音質チェックでは音楽CDと録音済みのカセットテープを持参し音を聞いてみました。
CDの音質テストではジャズ奏者の音楽CDを使いました。
結果ですがCDラジカセにしてはそこそこの低音とまずまずの高音が出ていて、コンポーネントステレオとは比較になりませんが音楽としてそこそこ聴けると思います。
次にカセットテープの再生音質テストです。
カセットテープは100円ショップで販売されているメーカー不明の60分ノーマルポジション。これに20年ほど前に入手したパイオニア製の3ヘッドカセットデッキT-D7(生産終了)でNHK FMのクラシックオペラ番組をドルビー Bを入にして録音してあります。
結果、CFD-S401内蔵のFMチューナーで受信した音声と遜色ありませんでした。さすがにコンポーネントステレオの音質には負けますが、それでもオペラ歌手の歌声とバックグラウンドミュージックが響き雰囲気は出ています。バスレフ構造が功を奏したようです。
録音時にノイズリダクションが入っているからでしょうが高音もノーマルテープとは思えないほど出ていました。期待以上の音が出て、よしおも驚きましたがストアの説明担当者も強く興味を持たれ、再生したカセットテープはどうやって録音したのか尋ねられたほどでした。
短時間のチェックだったので別の角度からテストすると違う結果が得られるかもしれません。
肝心のラジオに関しては、AMラジオの音質は最近リリースされているメーカー各社の製品のラジカセやラジオに共通するモコモコサウンドで、音量を上げると何となく話の内容が分かる程度です。FMは大した派手さもなく普通でした。
CFD-S401の音質を総合的に考察すると重低音は出ないもののバスレフ構造で低音はそこそこ出ますが同社製CDラジオZS-RS81BTなどと比べ人の声とシャカシャカ鳴る高音を少なくする、所謂クセを減らす音質のチューニングが施されているようです。
ドラムやエレキギター、電子楽器が響き渡るロックやフュージョン、EDMなど激しい音楽をCFD-S401で楽しむのはどちらかと言えば不向きかもしれませんが、歌謡曲や演歌、クラシック、ジャズ、店舗用BGMなどゆったりとした音楽にはどちらかと言えば合うと思いました。
ラジオの操作性、感度
FMロッドアンテナの長さは最大50センチ以上はあると思います。ロッドアンテナの形状はソニーのCDラジカセ、CDラジオの現行モデルと同じでした。
FM、AMともに放送電波のスキャン機能が装備されています。選局ボタンを長押しすることでスキャンが開始されます。
FMのスキャン速度はおおよそ毎秒5ステップ、AMのスキャン速度はおおよそ毎秒3ステップ程度と、CDラジカセとしては普通です。あらかじめ放送局が登録されているエリアコール機能はなく、ユーザーが手動で初期設定する必要があります。
本体上の1~3「お気に入りラジオ局」ボタンはAMラジオ、FMラジオ、補完放送を問わず好きな放送局を3つまで混ぜて登録できます。
CFD-S401お気に入りラジオ局ボタン(手前、公式サイトから) |
お気に入りラジオ局ボタンの登録内容は時計とメモリーのバックアップ用の単4乾電池3本が切れても保持される仕様です。
放送局を切り替えるためボタンを操作してからラジオが鳴り出すまでのタイムラグはAMとFMで変わらず0.5秒程度です。
【2017/06/04補足】
マニュアル選局操作ボタンを高速で連打しても表示は追従します。
受信感度はノイズの混ざり具合から察するとAMラジオは最近のソニーのCDラジオと比べ普通~わずかに良くない程度、FMは普通程度のようです。
カセット操作
カセットを収納する蓋は同社製CDラジカセCFD-S70と比べ比較的緩やかに開きます。
再生や早送り/巻き戻しなどで発生するメカノイズは思いのほか抑えられています。市販のカセットデッキ(現在は数が少ないですが)ほどのガチャガチャ音はしません。深夜のラジオ番組をカセットテープへ予約録音して就寝する場合、神経質な方は気になるかもしれません。
早送り、巻き戻し中にキュルキュル音を出すキュー&レビューには対応しないので本機だけのカセットを使った語学学習は不向きです。
曲の間の無音を検出する曲の頭出し機能は装備しています。
CFD-S401を少し上から見た状態(公式サイト引用) |
●まとめ
今回発表されたCFD-S401はカセットテープをいろんな方法で手軽に録音再生したいニーズに徹した、比較的音質のよいシンプルなCDラジカセです。電源のない場所では乾電池で動作する、CDラジカセ本来の使い方ができます。このCFD-S401の発売は今年(2017年)6月10日発売。価格はソニーストアで税抜き12880円となっています。
格安な割にはカセットの音質もよく、古さを感じさせないデザインなのでCDラジカセを気軽に楽しむ場合に重宝すると思います。
また直接カセットテープへラジオの予約録音が可能なCDラジカセを選ぶ場合、本記事執筆時点でCDラジカセのラインナップが豊富な東芝LEトレーディングの製品には該当するものがないことから前モデルのCFD-E501か、今回発表されたCFD- S401のどちらかとなるはずです。
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