ICOM SP-39AD(手前) |
SP-39ADは主に同社製広帯域受信機IC-R8600用の電源内蔵外部スピーカーです。
IC-R8600にはACアダプターや安定化電源などは付属しないため、安定化電源をお持ちでない方などのためにSP-39ADには電源も内蔵されています。
ということで入手したSP-39ADの仕様と実際の音質について簡単にチェックします。
SP-39ADの大きさは幅10×高さ10.2×奥行き25センチ(突起物含む)、重さは約1.4キログラム、いずれも実測値です。
DC電源の出力スペックは15V 2アンペアです。
SP-39ADに付属の電源コード(長さは約1メートル)は本体着脱式です。本体に電源などのスイッチは一切ありません。
SP-39AD背面 |
スピーカー入力ケーブルは3.5ミリのモノラルタイプ、ケーブル長は約1メートルです。
SP-39AD側面 |
DC電源出力プラグの長さは約50センチです。写真はありませんが、DCプラグ付近にノイズフィルターのコアがあらかじめ巻き付けてあります。
スピーカーの音質をチェックしましょう。
SP-39ADは無線機または受信機用ですのでオーディオ用のHi-Fi感を求めるベクトルとは異なった音づくりがされているはずです。なお音質は人によって趣向が異なりますので、聞いた時の感覚はあくまでも個人的な感想となります。
まずはオーソドックスにIC-R8600と組み合わせた場合です。
FM放送は低音が不足ながら低域から高域までまんべんなく音が聞こえました。前述のとおり高音が強調されて聞こえます。スピーカーの音量は内蔵スピーカーの音量と同じ大きさでした。
AMの音質はIC-R8600のフィルター設定によりますが、IF周波数9kHzにセットするとやはり受信音がまんべんなく聞こえ、この音が聞こえないということはありませんでした。
本体の内蔵スピーカーと比較すると、スピーカーが前面にあるSP-39ADはやはり聞きやすいです。IC-R8600内蔵スピーカーの音量を少し下げると受信内容が聞き取りづらくなってもSP-39ADでは比較的クリアに聞こえました。
つぎにAORのデジタルボイスレシーバーAR-DV1と接続した例です。
FM放送の受信内容はIC-R8600と組み合わせた時と同程度音がよく聞こえます。AR-DV1のWFMの音質は少しだけ高音が控えめなのでSP-39ADを通して聞くとちょうどよいといったところです。
AMモードにするとAR-DV1内蔵スピーカーの音質とほとんど変わりませんでした。AR-DV1のWFM以外の内部フィルターは低域をずいぶんカットしているため、SP-39ADを通しても音がチープに聞こえます。
参考ですが、SP-39ADのDC出力プラグはAR-DV1のDCジャックと形状が異なるため接続できません。電源はAR-DV1のACアダプターとSP-39ADの電源ケーブルを同時にコンセントへ差し込むことになります。
今度はCQ出版のTRX-305トランシーバーとの組み合わせです。
TRX-305もAORのAR-DV1と同じ低域をカットしてある傾向がSP-39ADを通して聞くとよくわかります。
特にFM放送の受信では高音もカットされており、まるでAM放送を聞いているようです。SP-39ADを介すとその事実がより鮮明になりました。
AR-DV1と同様、TRX-305に付属するDCジャックとSP-39ADのDCプラグは形が異なります。
最後に組み合わせるのはサイエンテックスの市民ラジオ8chトランシーバー SR-01です。
SP-39ADを接続すると本体内蔵スピーカーと比べ、見違えるほどクリアに聞こえるようになりました。一方であまりにクリアすぎるので音量つまみを最小にすると顕著になるホワイトノイズが内蔵スピーカー以上に一層目立ちました。
本題から少しそれますが、SR-01の音量設定は他の無線機や受信機と比べ過大なのでもう少し音が小さくても良いと個人的には思います。ホワイトノイズを無視すれば、SR-01の受信音そのものは悪くない感触なので、内蔵スピーカーをもう少し煮詰めれば大音量を出さなくても音がよく通るはずです。
SP-39ADの電源出力DCプラグはSR-01のDCジャックには刺さりませんでした。
アイコムの電源内蔵外部スピーカーSP-39ADについてまとめます。
SP-39ADは高音が強調され、なおかつ受信音がまんべんなく聞ける外部スピーカーです。
大きさもIC-R8600とほぼ同じなので、IC-R8600のオプションとして適していると思います。
SP-39AD 正面 |
当初、スピーカーと電源の組み合わせで1万円以上は安くはないと思っていましたが、SP-39ADのスピーカーケーブルを接続するとIC-R8600内蔵のスピーカーで聴取するよりも受信ノイズが中波帯で減少する場合を確認したので、IC-R8600にはほぼ必須ではないかと思います。
IC-R8600以外の製品と組み合わせて使う場合は、基本的に音はクリアになる可能性があるメリットはあるものの、高音が強調されるので気になった場合は音質調整機能を装備した無線機や受信機または市販の音声フィルターを組み合わせるとよいでしょう。
(関連記事はこの下です)
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・【追記】アイコムアマチュア無線フェスティバル2016でIC-R8600を触る (2016/12/10)
・アイコム ID-4100とID-880との違い (2017/04/15)
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