2017/04/12

八重洲無線 FT-70D発表, FT-60/VX-6スペック比較

八重洲無線から正式にFT-70Dの発売がアナウンスされました。

商品情報 - FT-70D/八重洲無線株式会社
YAESU FT-70D(公式サイトから)


FT-70DはC4FMデジタルとアナログFMで144MHzと430MHzのアマチュアバンドの送受信、108~579.995MHzがFM/AM/C4FM(一部のみ)受信可能なデュアルバンドハンディ機です。

電源は付属のリチウムイオン充電池SBR-24LIと外部電源が使用できます。送信出力は最大5ワットの3段階切り替えです。IP54の防滴性能を装備。デジタルとアナログを自動切換えするAMSを搭載しています。

音量は700ミリワット。アマチュアハンディ機ではかなり大きいクラスです。



さて、FT-70Dは型番から予想するとFT-60の後継機に見えますが、リチウムイオン充電池搭載機ということでVX-6の後継機のようにも考えられなくはありません。

そこで今回は公開スペックからFT-70DとFT-60の違い、そしてFT-70DとVX-6の違いを見ていきます。

なお以下に掲載した表はクリックで拡大します。表中の青色は性能が良くなっていると思われる部分、黄色は性能が悪くなっていると思われる部分、緑は判断に困る部分、白色は変更なしの部分です。


■FT-70D vsFT-60


一般定格スペックを比較します。
FT-70D(左)とFT-60(右)の一般定格スペック比較

FT-60は一部受信周波数が歯抜けでしたがFT-70Dでは579.995MHzまで連続カバーしています。しかしFT-60は999.99MHzまで連続受信できていましたがFT-70Dでは1GHzに近い電波は受信できません。

周波数ステップはFT-60になかった6.25kHzと8.33kHz、9kHzが新規追加されています。その他周波数安定度もFT-60に比べ良くなっています。

FT-70Dは最低動作電圧が1ボルト上昇しました。


つぎに消費電流、大きさ、重さを比較します。
FT-70D(左)とFT-60(右)の消費電流, 大きさ, 重さスペック比較
FT-70Dの消費電流はAPO電源オフ時以外は若干増加しています。重さはFT-60比で100グラム以上も軽量化しています。


送信スペック比較です。
FT-70D(左)とFT-60(右)の送信部スペック比較
FT-70DにはC4FMが追加されています。



そして受信スペック比較です。
FT-70D(左)とFT-60(右)の受信部スペック比較
上の表は若干色塗りにミスがありますが、要するにFT-60は174~300MHz、470~520MHzの感度が良く、FT-70Dは108~174MHz、300~470MHzの感度が良いということです。

VHF航空無線はFT-70Dが優勢ですがUHF航空無線はFT-60のほうが性能が良いようです。



■FT-70D vs VX-6


一般定格スペックを比較します。
FT-70D(左)とVX-6(右)の一般定格スペック比較
FT-60の比較と同じ傾向が表れています。



つぎに消費電流を比較します。
FT-70D(左)とVX-6(右)の消費電流, 大きさ, 重さスペック比較
VX-6の消費電流はFT-70Dよりも少ないですが、本体の厚みと重さはFT-70Dが薄く軽くなっています。



送信スペック比較です。

FT-70D(左)とVX-6(右)の送信部スペック比較
 C4FM送信機能がFT-70Dには搭載されています。



そして受信スペック比較です。

FT-70D(左)とVX-6(右)の受信部スペック比較
こうしてみるとFT-70Dの受信範囲がずいぶん狭いことが分かります。FT-70Dは222~300MHzが、VX-6は250~300MHzの感度のスペックがないこともわかります。

FT-70DにはVX-6に搭載されているワイドFM受信モードがありません。





このFT-70Dですが一部販売店情報では税抜き価格がなんと2万3千円、発売が今年(2017年)の来月(5月)くらいということです。

リチウムイオン充電池付属でデュアルバンド、しかもC4FMデジタル機でこの価格ですから、同社製FT1XDシリーズの半額近く、またD-STAR普及期として誕生したアイコムのD-STARモノバンド機ID-31とは比べ物にならないほどの破格です。

別の情報によるとFT-70Dはなんと日本製とのこと。もし情報が正しければこの価格で本当に大丈夫なのかと心配になります。



以上、FT-70DとFT-60のスペック比較、そしてFT-70DとVX-6のスペック比較を行いました。


ということで海外で発表されたFT-70DRは事実でした。

FT-70DがVX-6の後継機という推理は、上記のようにスペック比較をすると、比べている次元がそもそも違うような気もします。他方、FT-70DがFT-60の後継機という推理は型番が語っているようにそんな気もしてきます。

FT-70Dの登場でFT-60またはVX-6どちらが先に終息してしまうのかはいずれわかることです。


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