まず携帯電話ですが2011年現在も第2世代方式のGSM方式が主流となっています。持参したユピテルMVT-7100で1GHzあたりまでサーチした感触ですと850~870MHz周辺で基地局の電波が観測できました。もちろんデジタルですから電波を受信できてもただの雑音で復調できないのは周知の事実です。
写真は北京市内と郊外にあった基地局です。上の写真のように1つの基地局に2~3種類のアンテナが敷設されているものが確認できました。場所によっては3G方式の端末が使用できるかもしれません。
次に軍関係と警察関係の無線機・通信についてです。
北京市内の天安門広場や北京空港などでうぐいす色の軍服を着た人民軍の所持する無線機と警察(上の写真参考)の無線機をチェックしたところ人民解放軍はHYT製、警察はモトローラ製をそれぞれ使用していました。いずれも小売店で販売されているようなレベルのものとは価格が1~2桁違う最新型のデジタル対応と思われるトランシーバーです。DESまたはAESスクランブルを掛けて運用していると思われます。
実際にMVT-7100で警察無線と思われるデジタル波をキャッチしました。受信した電波は日本で受信できるものとは感じの異なるものでした。
以前上海の無線ショップの人に聞いた話によると中国では日本とほぼ同様350~360MHz周辺を警察が使っているそうですから今回キャッチしたものは警察無線と思ってほぼ間違いないでしょう。ちなみに軍は390MHz帯を使っているそうです。残念ながら今回は軍用無線と思われる電波をキャッチできませんでした。
続いて北京市内の無線通信機器の使用状況です。北京滞在中よしおは携帯電話で通話している市民と思われる人を一度も見かけませんでした。反面、大衆食堂やレジャー施設ではまず間違いなく無線機の使用を確認できました。140MHz帯や400MHz周辺でアマチュア無線と思われる交信も数多くキャッチしました。レピーター運用も確認しました。公園では一般市民がトランシーバーを持ち運用していた光景も見かけました。日本以上に市民の暮らしを無線が支えている感触です。
また少し違ったアプローチとして下の写真のような無線通信システムもありました。
頭からアンテナが生えているように見える人々の容姿はさながら宇宙と交信している雰囲気です。しかし実際は劇場でワイヤレスヘッドホンの日本語通訳音声を聴きながら京劇(日本の歌舞伎と同じようなものです)を鑑賞している様子です。日本ではめったに見られない面白い光景と思います。
このように中国北京では想像以上に携帯電話以外の無線通信機器が普及していました。恐らくトランシーバーを使う場合通話料の掛からない点が中国人のお金に対する執着心とあいまって普及に拍車を掛けているのでしょう。
一つ気になったのは日本製と思われる無線機器の使用が一度も確認できなかったことです。恐らく無線機の価格がボトルネックとなり普及の足かせとなっていると思われます。こればかりはどうしようもないことですが個人的に少々寂しさを覚えてしまいました。
以上軽くですが中国北京の通信事情についてお伝えました。次回海外旅行する機会があれば現地でもっと受信活動したいものです。理想は万里の長城でラジオを聴くことですが・・・
万里の長城ではたまに警備員らしき人が巡回したり多くの観光客がいたため今回は残念ながら目的未達のまま帰国しました。もう一度北京に行く機会があれば今度こそ万里の長城でラジオを聴取しながらまったりした気分を味わう・・・夢が膨らみます。
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