2023/04/16

アイコムIC-R30回想②長所

IC-R30が2022年末に生産終了となりましたので、あらためてIC-R30がどんな受信機か振り返ります。長くなるので内容を①主な特徴、②長所、③短所、④振り返り&まとめの4回に分けます。今回は長所編です。

アイコム IC-R30 2波同時スキャン中

前編の「①主な特徴」は下記関連記事を参照してください。


よしおが確認したIC-R30の長所は数多くあるため、見た目、操作性、機能、受信、スキャン、音、録音という7つのカテゴリに分けて説明します。

 

ではこれからカテゴリ別に長所を挙げていきます。

言葉の羅列ばかりで長くなります。気長にお付き合いください。

 

見た目

  • 付属充電池を装着しても軽量でコンパクト
  • 極端に分厚かったり、造りが甘かったり、極端に重いなど野暮ったさがない
  • 液晶コントラストが調節可能
 

操作性

  • メニュー画面が日本語表示(前述)
  • 液晶と正面ボタンにバックライトを内蔵(前述)
  • バックライトの明るさが変えられる
  • スマホやタブレットで遠隔操作可能(前述)
  • オプションのヘッドセットVS-3で本体の一部機能が操作可能(前述)
  • スキャン、モード切替、ステップ選択、アッテネータ、バンドスコープ、録音開始などをファンクションボタンを押さず操作できる
  • メニュー設定項目の一番下に到達時、ダイヤルを+方向へ回し続けても、十字キーを下へ押し続けても一番上の最初の設定項目へ戻らない
  • スケルチレベルの深さ設定が実際に受信する時の微妙な感覚と合っている
 

機能

  • Bluetoothワイヤレス受信待ち受け可能(前述)
  • オプションVS-3があれば待ち受け中にスマホやタブレットと接続すると好きな音楽やビデオを楽しめる。無線を受信すると音楽やビデオが一時停止されIC-R30の受信音声に自動で切り替わる
  • メーカー保証外だが他社製ブルートゥースヘッドセットもそこそこ受信音が聞ける。ただし本体やヘッドセットが壊れたら全て自己責任
  • USB充電可能(前述)
  • 全カバーを閉めると本体はIP57防塵防水(前述)
  • 日本語音声読み上げ機能(切可、前述)
  • SDカード内の設定ファイルを入れ替えるだけで受信機の設定を一括変更可能。日常生活に例えるなら普段着とパジャマ、仕事着、ドレスコード等、服装やメーク等がIC-R30の設定ファイルの変更で変えられるということ
  • メーカーへ本体を送らなくても自分でファームウェアアップデート可能
  • GPSロガー機能が使える。山行や受信旅の記録に便利
オプションのBluetoothヘッドセットVS-3

 
 

受信

  • 少なくとも通常のデジタル簡易無線の免許局と登録局は復調可能
  • 長波~短波がそこそこ実用的かつオールモードで受信可能
  • AMラジオ用バーアンテナ内蔵
  • デジタル無線受信待機中やスキャン中ゲコゲコ言わない
  • 108~520MHzの間では同一周波数の2波同時受信が可能
  • AMモードではANL、SSBモードではノイズブランカーが使える
  • WFMモードを除き携帯電話基地局のカブリを受けにくい
  • WFMモードを除き混変調が比較的少ない
  • USB給電&充電しながら受信しても場合によってはACアダプターからのノイズの影響が少ない
  • 1波受信中は内部発振が少ない
  • 周波数ズレがほとんどない
  • AMモードはワイドとナローが選べる
  • メイン側のFMモードは3段階(WFM, FM, FM-N)
  • FM-Nモードを使うと特定小電力トランシーバーの音声が比較的大きく聞こえる
 

スキャン

  • サーチ(プログラムスキャン)とメモリースキャンが爆速(前述)
  • 一時スキップのON/OFFに加え、一時スキップ時間も選べる
  • スキャン中、電波が切れた直後から再スキャン開始までの時間を変更可能
  • スキャン中に電波を受信中、自動でスキャンを再開するスキャン停止時間を変更可能
  • スキャン再スタートまでの待機時間で0秒が選べる。つまり受信電波がなくなったらすぐにスキャン再開できる
 

  • 内蔵スピーカーは弱電界中のAMモード以外聞き取りやすい。FMラジオの音質も小型ポケットラジオを超えたレベル
  • メインダイヤルを回しながら受信しても無音にならない。市販のDSPラジオのようなダイヤル選局中の音声ミュートがない
  • 受信中シャーシャー煩いAMモードの音声は録音すると少しマイルドになる
  • デジタル無線の音質を微調整できる
  • 広帯域受信機だからエアバンド受信中の音量差がほぼない
 

録音 

  • 2波同時録音中は各波の音声が独立して保存される。つまり受信音声は1つのファイルにモノラルミックスされて録音されない
  • 受信の都度ファイルが自動分割生成される。AR-DV10同様の金太郎飴方式も可
  • 2波同時録音しながら録音済み音声を再生できる
  • SDカードエラーによる録音失敗が滅多にない。カードエラーは過去5年間で1度だけ
  • 受信機の起動直後から自動で録音を開始できる(切可能)
  • 受信音声録音時、音声の頭切れがほぼない



以上、見た目、操作性、機能、受信、スキャン、音、録音という7つのカテゴリに分けてIC-R30の長所を説明しました。

 

 

これだけ長所を並べても残念ながらIC-R30は生産終了のため新品の入手は現実的ではありません。

 

余談ですが2023年現在、予約を含め購入可能な国内向けハンディ型デジタル無線対応受信機の選択肢はAR-DV10DJ-X100です。しかしDJ-X100は「無線と受信機に関する上級の知識が無い」 と使えません。

まあ、本当はAR-DV10のほうがいろいろ「上級」ですが...。 

AOR AR-DV10

「上級の知識」はラジオライフの特集記事を継続して読み続けたり、アマチュア無線機やデジタル無線対応受信機の取扱説明書やカタログを何度も読み、意味を理解して頑張り続ければ獲得できるようになると思います。

 



少々脱線しましたが今回取り上げたIC-R30の長所のうち、よしおが特別取り上げたい長所はこの『アイコムIC-R30回想』のシリーズ最後で取り上げる予定です。

興味があれば後日下記関連記事を参照ください。

(関連記事はこの下です)


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・アイコムIC-R30回想③短所

・アイコムIC-R30回想④振り返り&まとめ

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