この旧校舎は一部の方の間では"K-ON!"という漫画・アニメーションの舞台となったことでよく知られているようです。
社会見学の話はさておき、今回は一般公開されている豊郷小学校旧校舎群の最上階に展示されていた、上記漫画・アニメーション作品中に登場したといわれているソニーのCF-1980IIについてチェックします。
CF-1980Ⅱは1976年(昭和51年)に発売された"ラジカセ"です。
ラジカセとは音声録音以外にラジオも録音できるラジオレコーダー(関連記事の上の「AM&FM受信ラジオレコーダー一覧」参照)のひとつで、録音再生メディアがカセットテープのものを指します。再生専用のラジカセも一部にはあったと記憶しています。
電源は動作するものであれば単1電池8本またはDC12V駆動、AC駆動の3電源。この展示品のCF-1980IIはあくまでも展示物のため実際に動作するかは不明です。
今ではラジカセ自体が絶滅危惧種ですが、このCF-1980Ⅱはラジカセが現役であった当時の目線で見ると、一見どこにでもあったモノラルラジカセです。ところが本体上面には一部の高級機にのみ装備される自動調整機能付き!?録音ボリュームと高性能なCrO2テープの使用種類切替スイッチが見え、この時点で曲者...ただのラジカセではないことが分かります。
ライン入力にも対応。スピーカーはなんとウーハーとツイーターの2ウェイでカセットテープに録音された音声を最高13kHzまで鳴らし切ります。
カセット部は1クリックのフェザータッチ式ではなくメカニカル式ですが高級機にのみ装備されているはずの、押したボタンが動作完了後に機械仕掛けで自動的に元に戻るフルオートシャットオフ対応と、かなり気合が入っています。CF-1980Ⅱの"STUDIO"の称号は伊達ではないようです。
ラジオの受信バンドはMW(AM)、FMに加えなんと3.9~12MHzのローバンド短波にも対応しています。ラジオNIKKEIが全波受信できますね。
選局窓の右に配されたメーターはV/Uとラジオの信号("S")強度、電池チェックの3機能に対応。右端の焼き肉屋のテーブルにありそうな網状のものは内蔵モノラルマイクです。
左端には暗所での操作サポート用のバックライトスイッチが装備されています。
低音と高音の独立調整ツマミとAMラジオ録音用のISSスイッチやFM受信用のAFCスイッチまでも装備。現代ではシンセチューニング機がほとんどですからAFCスイッチはまず見かけないでしょう。
ユニデンアメリカ製スキャナーBCD436HPを横に並べるとCF-1980IIの前では巨大と言われる本体がコンパクトに見えます(笑)。
以上、簡単ですがソニーのラジカセCF-1980IIをスペックを交えながらチェックしました。
AM/FMに加え短波の受信と録音が可能。針式Sメーター兼V/Uメーター付きで布団をかぶった暗闇でも暗視ゴーグルなしで動作が見えるバックライト内蔵。加えて、より高音質が期待されるカセットテープで録音でき、録音ボリュームも調節可能。
デジタル全盛時代の現代に何故か、まともな短波放送録音機能付きラジオレコーダーは本記事執筆時点ではなかなかお目にかかれません。
これほどの機能を有するCF-1980IIが発売当時BCLブームであったことを考えないとしても、どれほど人気を博したかは想像に難くないでしょう。
このCF-1980IIはよしおが見学した際には豊郷小学校旧校舎群の3階に展示されていました。見学マナーが良くない場合は展示が中止されるとのことですので良識を持ち見学したいものです。
建物もさることながらCF-1980IIの実物に興味があればこちらの旧豊郷小学校を訪れてみてはいかがでしょうか。
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